DGT-1フォームの記載方法-1ページ目

2018 年 1 月 10 日

皆様こんにちは。㈱フューチャーワークスの片瀬です。

新DGT-1フォームの記載方法について、最近よくお問合せを頂きますので、数回に分けてご説明できればと思います。今週は特に問題となっている1ページ目の記載方法についてです。

DGT-1フォーム
PART Ⅰは収入の受け取り側(日本側)の会社情報を記載します。Tax ID Numberは13桁の法人番号になります。

PART Ⅱは収入の受け取り側(日本側)がインドネシア居住者ではないことを宣言する欄になります。(7)に日本側の会社名を記載し、(8)に代表者のサインをします。代表者は経理担当者でも通常は問題ありませんが、税務署によって対応が異なる(取締役のサインが求められる)ケースがあるようですので、事前に税務署への確認をお勧め致します。(9)に申請日の日付、(10)に代表者の役職を記載します。

PART Ⅲが今回問題となっている、税務署から居住者証明を受ける欄です。(11)・(15)は受け取り側の居住国(Japan)を記載します。(12)・(13)・(14)については、居住者証明をする期間を記載しますが、日本の税務署は未来の日付は認めてくれませんので留意する必要があります。

この点についての実務的な対応はアーカイブも併せてご確認頂ければと思います。(「新DGT-1フォームの問題点・実務上の対応」
旧フォーマットの1ページ目では、この欄の記載は期間ではなく、税務署が「居住者証明した時点の日付」の記載であり、2ページ目は税務署の認証は不要だったので、あらかじめ1ページを必要な分だけ税務署から認証をもらっておき、2ページ目は都度担当者の署名だけしてインドネシアへ送付するという対応が可能でした。(都度税務署で認証してもらう必要はありませんでした。)しかし、新フォーマットでは将来の日付の記載ができないため、基本的には取引ごとに都度税務署で認証を受ける必要があります。

なお、所轄の税務署に拠りますが、日本語版の添付を求められることが多いようですので、こちらも事前にご確認頂ければと思います。

 

不明点等があれば以下の連絡先までご連絡ください!
片瀬 陽平(yo-katase@futureworks-inc.jp)

DES(デット・エクイティ・スワップ)による再建

2018 年 1 月 10 日

皆様こんにちは。㈱フューチャーワークスの片瀬です。

インドネシア子会社の再建に関して、「債権放棄」を検討した後に、DES(デット・エクイティ・スワップ)を検討することになります。DESとは、言葉の通り、「負債と資本を交換する」ものです。子会社は借入金だから利息を支払わなければなりませんが、資本金に交換すると利息を支払う必要はありません。また、紐づきで再建計画を作ることが多く、かつ、自己資本比率が上がるので銀行等との交渉がかなりしやすくなります。

ちなみに親会社側の計上仕訳は次の通りです。

<計上仕訳(日本親会社)>
株式      5千万円 / 貸付金 1億 
債権譲渡損   5千万円 /
ここで「債権譲渡損」という損失項目が出てきました。これは、「債権の現物出資により取得した株式の取得価額:法規通2-3-14」を基に損金計上を検討していくことになります。
「債権の現物出資により取得した株式の取得価額:法規通2-3-14」
子会社等に対して債権を有する法人が、合理的な再建計画等の定めるところにより、当該債権を現物出資することにより株式を取得した場合には、その取得した株式の取得価額は「有価証券の取得価額」の規定に基づき、当該取得の時における給付をした当該債権の価額になることに留意する。
ポイントは、「合理的な再建計画」という文言ですが、ニュースレターでお送りした(下記に記載している)「貸倒損失や子会社支援損」よりは、損金計上の理論建てが容易かと思います(関連資料は多くなりますが)。
<合理的な再建計画とは>
合理的な再建計画とは、「債権放棄」に関連する各種通達(9-6-1、9-6-2、9-4-1)と同様に実態判断になり、具体的には「支援額の合理性」、「支援者による再建管理の有無及び有効性」、「支援者範囲の相当性及び支援割合の合理性」などにより総合的に判断することになります。なお、利害の対立する複数の支援者の合意によって策定された再建計画は、原則として合理的なものとして取り扱われます。
正直インドネシアにおけるDESは、各種手続はもちろんありますが、基本的には容易に行うことができます。ただし、(インドネシアで行うことよりも)日本側で損金に計上する方が、ハードルが高いためにインドネシアと日本の両面からしっかりと検討する必要があります。インドネシア側のDESの手続、日本側の合理的な再建計画の作成など、お困りのことがございましたら、お気軽にご連絡いただければと思います。
不明点等があれば以下の連絡先までご連絡ください!
片瀬 陽平(yo-katase@futureworks-inc.jp)

合弁解消の際の株式譲渡に係る課税関係 /棚卸取引における資金還流

2018 年 1 月 10 日

皆様こんにちは。㈱フューチャーワークスの片瀬です。

先日、弊社のお客様より下記の質問をいただきました。大変興味深い内容であったために、内容を少し変更し、皆様にシェアできればと思います。
【質問内容】
当社は、日本の協力会社のA社と共に、インドネシアに合弁会社B社(製造)を設立し、従前よりインドネシア国内でのビジネスを行っています。この度、当社とA社の協議の結果、合弁を解消することととなりました。合弁の解消にあたりA社が保有するB社株式(30%)を全てルピア建てで購入することとします。
Q1.B社株式の購入にあたる課税関係を教えてください。 

A1.日本や他の諸外国においては「時価純資産法」等の方法により株価算定を行い株価が値上がりしているのであれば、その値上がり益において課税がなされます。ただし、インドネシアにおいては諸外国の課税関係とは異なり、インドネシア独自の取扱い(「KMK 434/KMK.04/1999(財務大臣令)」)がなされています。

この財務大臣令により、非居住者がインドネシア居住者株式を売買した場合、「推定利益(the Estimated net income)」に対して、源泉税が20%課されます。そして、この推定利益は、当該大臣令において売買高(Gross transaction value)の25%とされています。つまり売買高×25%×20%=売買高×5% となります。

※留意すべき部分は、この売買高が「簿価」でも認められるのか?ということですが、基本的には「時価純資産法等」の客観的な価格をベースとした利益の推定と考えられます。

また、日イ租税条約上で、当該取引にかかる源泉税率は10%とされていますので、DGT-1フォームを税務署に提出をすれば、売買高×25%×10%=売買高×2.5%となります。

Q2.日イ租税条約上で、源泉税率10%を適用するためのDGT-1フォームとはどのようなものか教えてください。

A2.DGT-1とは、日本における「居住者証明書交付請求書」と同じものになります。インドネシア国税局がDGT-1という指定のフォーマットを(租税条約適用のための)居住者証明として使っているため、日本のフォーマットではなくDGT-1を使用することになります。

もう一点、過去のニュースレターに紐づいて、ご質問があったものを皆様にも共有できればと思います。

Q1.利益還流のニュースレターにおいて、棚卸取引による還流とありましたが、金額をどのように変更すれば良いかが分かりません。

A.棚卸取引による還流で留意しなければならないことは、内部コンパラ(自社において第三者との間で同様の棚卸取引を行っている場合には、当該金額が正常な取引価格であるとみなす)に留意する必要があり、インドネシアだけを特別扱いすることは難しい現状があります。そのために棚卸資産自体の金額を変えることが難しい場合には、三か国貿易の形態(例えば、物流はタイとインドネシアにおいて直接行うけれども、商流は日本親会社を介す形態)を取るなど、ただ単に棚卸資産自体の金額を変えるのではなく、取引スキームについて理由を付して変更することなども考えられます。

※途中から日本親会社を介すことになる場合には、もちろん相応の理由が必要となりますので、ご注意ください。
不明点等があれば以下の連絡先までご連絡ください!
片瀬 陽平(yo-katase@futureworks-inc.jp)
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