事業許可取得の簡素化について

2018 年 3 月 16 日

2018年1月より、BKPM長官令2017年13号が施行され、事業許可の取得が従来に比べて簡素化されました。

 

従来はインドネシアに投資をする際には原則許可(IP)を取得し、2年以内に最低投資額の払込をして事業許可(IU)を取得する流れでしたが、この原則許可(IP)が廃止になり、登録許可(PI)を取得して事業許可(IU)を取得する流れになりました。

 

コンサルタント業などの一部の業種の事業許可を取得する場合は、今までBKPMへのプレゼンテーションが必要でしたが、投資登録(PI)後の監査が厳しくなる代わりに、プレゼンテーションも原則として無くなる予定です。ただし、BKPM担当官に長官令が伝わっていないということもよくありがちですので、実務上の対応としては注視していく必要があります。

 

また、業種や設立する場所によっては、直接事業許可(IU)の取得に進める手続きも定められましたが、BKPMにより個別に判断されるようです。

 

なお、現在既に設立している法人が、今後事業を追加する場合は、取得済みの原則許可(IP)はそのままで、追加事業の登録許可(PI)のみをすることになります。

この場合、原則許可(IP)の情報は古いまま更新されず、新しい登録許可(PI)と併用することになります。法人住所の変更があった場合にも、新しい登録許可(PI)のみを更新していき、KITASの申請などの際には両方のコピーを添付することになります。

進化する会計システム「Bridge Note」

2018 年 3 月 7 日

会計システムのみであったBridge Noteにも販売管理システム(エクセルで請求書を作成している会社様は、一度Bridge Noteの販売管理システムを触ってみてください。かなり管理が楽になりますので!デモアカウントの発行も可能!)が追加され、お陰様で多くの日系のお客様にご利用いただくようになりました。

 

我々の会社:PT. Bridge Note Indonesiaは会計事務所が母体でありますが「Bridge Note」というクラウド、言語対応(インドネシア語、英語、日本語、タイ語)の会計ソフトの製造販売も行っています。会計事務所である我々がなぜ自社で会計ソフトの製造を開始したのか、今後インドネシアの会計業界でどのようなことが起こるのかなどをお伝えできればと思います。

 

【BridgeNoteを何故作ったのか?】

現状、インドネシアに進出している多くの日系企業が会計事務所に記帳業務をアウトソーシングしています。現地に赴任する日本人の責任者は営業・技術畑の方が殆どであり、管理畑の方が立上げ当初に赴任されることはまずありません。そのために日系企業はインドネシアの会計事務所に記帳業務を頼むわけですが・・・一度記帳代行をアウトソーシングすると、なかなか内製化するタイミングがありません。

 

■日本では行われない記帳代行業務

この記帳代行業務という業務は今や日本ではほとんど行われていません。その大きな原因が弥生会計や勘定奉行という会計ソフトの発達にあるといわれています。20年以上前は税理士が紙ベースの帳簿を作成し、最終値を合わせていました。しかし今では発達した会計ソフトのおかげで最終値は自動的に合うものに変わってしまい、その結果税理士の顧問報酬は一社10万円/月 ⇒ 3万円/月と、平均値で1/3以下にまで激減しています(インドネシアでは相変わらず一社15万円/月が相場です)。

 

■内製化のメリット

内製化する場合に得られるものは、下がったコンサルフィー等のお金だけではありません。内製化することによって必ず月次決算は早期化されます。記帳代行を頼んでいても現預金の出納帳や小切手の管理台帳は自社で作成しており、せっかく作っているこれらの帳票を会計事務所が改めて会計ソフトに入力しています。

また、月次決算が長引く一番の原因はコミュニケーションエラーです。各々の担当者が個人の考えで業務を行うことが多いインドネシアでは、会社が求めるものがなかなか出てきません。せっかく出てきても担当者が自分の考えで過去の数字を勝手に変更してしまいます。統制が取れずそれだけむだが多い・・・。

そのため日系の製造業を中心に、少しずつではありますが内製化の動きが起こっています。ただ、なかなか内製化するタイミングがありません。メリットは分かっており、日本でも内製化によって多くの会社がそのメリットを享受しているのに、、、インドネシアではやはり記帳代行をお願いし続ける会社が多いのです。

 

■内製化のハードル

内製化の一番のハードルはお金でも時間でもありません。それは内製化に失敗したときのリスクです。今まではお金をかけて(会計事務所が)月次の試算表を出していましたが、内製化に失敗したときはこの月次試算表が出てこなくなります。100%対0%となってしまうために内製化に二の足を踏む会社が多いのです。

 

ただ、皆様が考える、その失敗するイメージとは全てを自社でやろうとしていませんか?

内製化は一気に行うのではなく、段階的に行わなければなりません。

 

【月次管理業務】

①現金預金

②販売

③購買

④経費精算

⑤決算整理

⑥税金

 

例えば、これらの月次業務があった場合に自社内で既に管理・統制しているものはどれくらいありますか?①~④については自社で管理していませんか?多くの会社が既にエクセルで管理を行っているものと思います(せっかくエクセルで作っているのに、それを会計事務所に渡して会計ソフトに入れている)。この部分が最初に内製化できる部分ですので、切り分けて内製化を考えれば良いのです。

 

■エクセルからの脱却

会計は本来、月次業務と二重で工数がかかるものではありません。エクセルに入力していた今までの業務を、システムに直接入力すれば一度の入力で数字が勝手に作られます。これは非常に大切で、エクセルに頼れば頼るほど、内製化への道のりは遠くなってしまうのです。

 

■使いづらいインドネシアの会計ソフト

我々も会計事務所という仕事柄インドネシアの会計ソフトを設立当初より利用していました。これが、まぁ使いづらい。インドネシアの会計ソフトを含むERPは入力の型が決められていることが多く、その型に当てはまらないビジネスを行った瞬間にエクセルで管理しなければならないという事態に見舞われます。会社の成長と共にエクセル管理する業務が増えている現状が我々にもありました。

 

■なので作ってしまおうと

使いやすい会計システムが無いのであれば、自分たちで作ってしまおうと考え、実際に開発したのが「Bridge Note」です。汎用性を持たせるために入力フォームはシンプルにし、法改正や商慣行を直ぐに取り入れられるようにクラウドにし、親会社がリアルタイムで確認できるよう言語対応(日本語、インドネシア語、英語、タイ語)をさせました。

 

■汎用性の高い「Bridge Note」

現在「Bridge Note」の使い方は会社によって様々です。内製化のために使ってもらっている会社はもちろんのこと、請求書システムだけを使ってもらっている会社、日本親会社への数字の報告(リアルタイムモニター)として使ってもらっている会社、会計事務所と業務を切り分けて二重入力がないようにした会社(コスト削減)、まずは自社の管理フローを確認してエクセルで行っている業務を洗い出してみてください。

 

■今後のインドネシアの会計業務

日本の会計業界を見てみると、記帳代行がなくなり、それどころか銀行と会計システムとのAPI連携(自動入力)が進み、紙ベースの帳票類もスキャンすれば自動的に会計システムに入力されるようになってきています。会計事務所の優位性は今や専門性の高さ以外はほとんどありません。数字は作るものではなく、勝手にできるものに変わってきています。これと同じことがインドネシアにおいても間違いなく起こります。クラウド型の「Bridge Note」もこれらの対応を行うべくインドネシア国内の各所(日系ローカル問わず)へのコンタクトを行っており、API連携等の新たな機能の開発に取り組んでいます。※クラウド型なので、アップデートによりこれら新機能が利用できるようになります。

法人税申告の税率・留意点

2018 年 2 月 26 日

ご存知の通り、法人税の確定申告期日は課税年度末から4か月目の月末となりますので、12月決算の会社は4月末が期限となります(国税局への申請により2か月までの延長は可能ですので、6月末が最長の期限です)。

そのため、法人税申告に向けて法定監査などの手続きを進めている会社も多いかと思います。今回は法人税申告の税率・留意点についてです。

 

標準税率は25%になりますが、納税者の売上規模によって、下記の通りの税率に区分されます。

 

①年間売上が500億ルピア以上の企業

⇒標準税率25%

 

②年間売上が48億ルピア以上、500億ルピア以下の企業

⇒48億ルピアまでの総売上に対する課税所得については、12・5%

 

③年間売上が48億ルピア以下の企業

⇒売上に対してみなし課税率1%(pp46、ファイナルタックス)

*ファイナルタックスですので、既に源泉されている法人税(pph22, pph23)についての還付を受けることはできないのでご留意ください。

 

 

なお、前年度の法人税額に基づいて、法人税の毎月の予納(pph25)が必要になります。

このpph25の計算は下記の通りです。

 

  • 前年度が上記①もしくは②の区分の税率だった場合

 

1.前年度税務上利益額―(前年度に発生した特別損益+前年度に発生した為替差損益)= 修正前年度利益額(Y)

 

2.修正前年度利益額(Y)より税率25%を乗じて法人税額を計算(Y’)

(*例え前年度の税率が②の区分であったとしても、25%で計算されますので、ご留意ください。この場合、利益が前年度より大きくならないと、予納によって還付ポジションになる可能性が高くなってしまいます。)

 

3.(Y’)―(前年度に支払ったpph22+前年度に源泉されたpph23)=今年度みなし法人税額(Z)

 

4.(Z)÷12カ月=今年度予納月額(X)

 

*この予納の仕組みにより、前年度の利益額を下回ると還付申請をする必要性が高くなるので留意が必要です。

 

  • 前年度が上記③の区分の税率だった場合

毎月の売上高×1%を納税する。

 

 

なお、過去5年間までの繰延欠損金と税務上の利益との相殺が可能ですので、前年度に利益を計上したとしても前年度には法人税の納税がない場合があります。しかし、今年度期首の繰延欠損金が今年度みなし法人税額(Z)より小さい場合には、前年度の法人税の納税がなかったとしても、今年度は予納しなければならない可能性があります。

 

たとえば、前年度利益100、前年度繰延欠損120の場合(pph23などの源泉はなく、為替差損などもない単純なケースを想定します。)

前年度利益100-前年度繰延欠損120=▲20 となりますので、前年度での法人税納税はありません。

 

しかし、予納を計算した場合は、

前年度利益100×25%=25(今年度みなし法人税額(Z)) となりますので、

今年度期首の繰延欠損金(▲20)が今年度みなし法人税額(25)より小さくなっています。

この場合、25(今年度みなし法人税額(Z))÷12か月≒2.08を毎月予納しなければなりません。

 

 

このように、インドネシアの法人税の計算と予納計算は複雑ですので、今年度確定申告の税率はいくらなのか、来年度の予納は毎月いくらなのかを、一度確認されてはいかがでしょうか。

 

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