みなし配当課税!?

2018 年 1 月 10 日

皆様こんにちは。㈱フューチャーワークスの片瀬です。

インドネシア法人が、一定の要件に該当する外国法人の株式を保有している場合に、たとえ配当が無かった場合でも「配当金があったものとみなして」、インドネシア法人の課税所得として申告・納税する、という「被支配外国法人(CFC:Controlled Foreign Company)規則」が定められています。

※CFC税制は日本では「タックスヘイブン税制」と捉えられていますが、インドネシアにおいては「みなし配当課税」と捉えられています。

2017年7月27日に発行された財務大臣規則第107号により、対象となる外国法人の範囲の拡大と、「みなし配当金」の計算方法の変更がありました。一般に、インドネシア法人が配当で海外に利益を還流するケースは多いかと思いますが、逆に海外から配当を受け取るケースは通常は少ないかと思います。しかし、本規則では、外国法人の株式を直接的に保有していない場合でも、「みなし配当金」を計算し、法人税を納める必要が出てくる可能性がありますので、要件の確認が必要となります。

該当する外国法人の要件

「みなし配当金」を認識する必要のある外国法人の要件は下記になります。

①   インドネシア納税者が「単独で」50%以上の株式を直接保有している外国法人

インドネシア法人がいわゆる子会社を保有している場合です。

②   インドネシア納税者が「集団的に」50%以上の株式を直接保有している外国法人

個人を含む複数のインドネシア納税者が、合計して50%以上の株式を保有している場合です。

③   インドネシア納税者が「単独」もしくは「集団的に」50%以上の株式を間接保有している外国法人(本規則から追加)

間接保有している外国法人については、本規則から追加になりました。

例えばPT.A社がB社(外国法人)の株式を50%保有し、B社がC社(外国法人)の株式を50%保有しているケースを想定します。実質的な支配で見ると、PT.A社はC社の25%を支配していることになります(50%×50%=25%)が、このケースでは「間接的に」B社がC社の株式を50%以上保有していますので、「みなし配当金」を認識する必要のある外国法人に該当してきます。計算上の株式保有割合は、払込資本金によって判定されますので、例えば優先株などによって議決権が制限されている場合でも、払込資本金の50%以上にあたる株式を保有していれば本規則に該当してきますので、留意が必要となります。

みなし配当金の認識・計算

前述の要件に当てはまる外国法人の税引後利益に実質的な所有割合(③のケースでは25%になります)を乗じた額は、インドネシア株主が受ける配当所得とみなされ、合算して課税が行われることになります。このみなし配当所得の認識は、外国法人の法人所得税申告書の提出日から 4 カ月後になります。(外国法人に申告書の提出義務がない場合は、事業年度終了の日から 7 カ月後になります)。外国法人から実際に配当が支払われた際は、過去に申告済みのみなし配当金と相殺処理し、非課税処理とすることができます(過去5年間のみ相殺可能です)。

みなし配当金の意義

そもそも、受取配当金に対して課税されるべきかどうか、という議論があります。本来の考え方として、配当金は法人税控除後の税引後利益から配当されるため、配当金を受け取った際に課税所得としてしまうと、二重課税になってしまいます。シンガポールなどの国では、上記の考え方に基づいて、配当金に課税がされませんが、インドネシアでは一部の場合を除き、受取配当金に対して通常の法人税率で課税がされます(日本でももちろん課税はされません)。

つまり、このCFC税制とはインドネシア納税者が外国法人(海外子会社)を支配している場合(間接支配・直接支配含む)には、故意に配当を行わないことができるために外国法人(海外子会社)の利益をもって配当とみなそうという規定です。受取配当金が法人税課税されるインドネシアならではのCFC税制(他国のCFC税制とはちょっと異なる)のために外国法人(海外子会社)を実質的に支配している企業はご注意ください。

不明点等があれば以下の連絡先までご連絡ください!
片瀬 陽平(yo-katase@futureworks-inc.jp)

やっぱりロイヤルティは否認なのか!?

2018 年 1 月 10 日

先日、製造業の日本本社から「税務調査でロイヤルティが全額否認と言われているが何とかならないか」と質問をもらいました。よくよく話を聞いてみるとローカルコンサルが過去に3%で設定したロイヤルティ料率が次の理由に認められないと言います。

 <認められない理由>

①対価性が認められないため

②陳腐化により超過収益力が既になくなっているため

ローカルコンサルは調査担当官と「アンダーテーブルの交渉」に入る気満々で、自身が設定したロイヤルティ料率に対する責任はないと言っているそうです。また、日本側では研究開発機能を一手に担っており、毎年高額な研究開発費を計上していますが、インドネシアにおいてロイヤルティの正当性について反証するためには裁判を起こさないとならないそうで、ローカルコンサルからは穏便に済ますためにも「アンダーテーブル」を支払った方が良いと言われています。ちなみに毎年ロイヤルティを支払ったとしても、なお一定の利益を計上しているそうですが、移転価格ドキュメントの作成はしていないそうです。

 インドネシアの税務調査担当官は過分な権限を持っている(詳しくは「税務調査に係る調査担当官の権限」)ために、確かにアンダーテーブルが横行している現状があります。ロイヤルティは税務調査担当官の匙加減によるために、否認される可能性は依然として高いものであります(上記事例では「アンダーテーブル」を支払うか、「裁判」で戦うか、のいずれかになるでしょう)。

ただし、別会社において「ロイヤルティ(3%)」を支払っているにも関わらず、移転価格ドキュメントを提出したところ、その後に特に音沙汰がない会社があります。ロイヤルティの価格設定はTNMM(取引単位営業利益法)に含めて行っています。これがドキュメント提出の恩恵なのか、偶然なのかはもう少し数が集まらないと何とも言えませんが、少なくとも移転価格ドキュメントが意味のないものではないようです。

ちなみに現状は「移転価格調査」ではなく、上記のように「通常の調査」において価格の適正性を指摘されていますので、税務当局に移転価格の知識がある担当官が殆どいないことが明らかであり、こちらが提出している「移転価格ドキュメント」に対してケチは付けづらいように思います。今後(もう少し検証数が集まった後に)、移転価格文書を作成していても強引にロイヤルティを否認されるようであれば、すぐに当ニュースレター等でお伝えいたします。また、その場合には親会社への利益の還流は「棚卸取引」以外は考えられなくなるのでその点もしっかりと認識していただければと思います(詳しくは、上記のコラムへGO!)。

不明点等があれば以下の連絡先までご連絡ください!
片瀬 陽平(yo-katase@futureworks-inc.jp)

新規赴任者がローカルスタッフを管理するために必要なもの

2018 年 1 月 10 日

皆様こんにちは。㈱フューチャーワークスの片瀬です。

3~5年前にインドネシアに進出した日系企業はそろそろ駐在員の交代の時期です。新たに赴任した駐在員はなかなか仕事になじめないことが多いのですが、それは何故でしょうか。

●業務知識がある人こそ仕事ができる人と考える
「上司に現場を知らない奴がやってきた」とインドネシア人は良く言っています。全くもって使えないと。そんな上司の言うことは一切聞きこうとはしません。スキルレベル(業務知識)が彼らの中で上司としてついていくべきか否かの判断の基準になります。一度言うことを聞かなくなってしまうと、新たに採用する以外に手が打てなくなってしまいます。そのため、特に新規の赴任の際には(表現は良くないですが、)なめられように注意しなければなりません。
新規の赴任の際にも、着任してすぐに、「あれはやったのか? これはやったのか?」とスケジュールに沿って業務内容を理解していることのアピールは重要です。インドネシア人に「おっ、この人知っているな。」と思わせなければなりません。細かな業務はインドネシア人スタッフに任せるしかありませんが、横断的な業務管理やスケジュール管理は日本人責任者が行わなければなりません。資料がインドネシア語だとしても内部資料であれば見るポイントは限られます(不明費用の支出や請求書の金額、資金繰り確認、残高の一致など)。
新規赴任者のために、業務マニュアルを整備することが重要です。スケジュールと承認ポイント(社内資料は毎月同じものが出てくるために、それをどのようにチェックし、承認するかの細かなルールまで含められれば尚可)をしっかりと取り込んだ業務マニュアルさえあれば着任してすぐに業務の管理を行うことができます。引継ぎがスムーズにいかなければ余計な費用が掛かってしまいます(管理部門員の再雇用もこのタイミングが多いです)。引継ぎでトラブルがないよう業務マニュアル(業務フローと業務記述書)をご準備いただければと思います。
不明点等があれば以下の連絡先までご連絡ください!
片瀬 陽平(yo-katase@futureworks-inc.jp)
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