実務でどうするCbCR?

2018 年 1 月 10 日

皆様こんにちは。㈱フューチャーワークスの片瀬です。

お客様:「先日、現地のコンサルからCbCRをマスターファイルに含めて欲しいと依頼がありました」

私:「法律上、マスターファイルとローカルファイルは保存義務。CbCRは提出義務のために、(CbCRの内容は)マスターファイルに含める項目ではありません」

お客様:「税務当局からの指示があったのかもしれません?」

私:「税務当局からのマスターファイルに含めるという指示は考えられません。税務当局が公表しているフォームがあるので、弊社ではそれを2017年度の申告書に添付して申告を行います(内容は2016年度のもの)。なので現地のコンサルからの独自の指示でしょう。」

・・・・と、いきなりローカルのコンサルファームから言われても困ってしまいますよね?なので、CbCRがどのようなものかを確認し、しっかりと対応できるようにしておく必要があります。具体的な対応は下記の通りです。

【具体的対応】

移転価格文書に関しては、マスターファイルとローカルファイルを作成して安心されている方も多いかと思いますが、2017年の申告書の提出と同時にCbCRも提出しなければなりません。コンサルに申告書の作成を任していたらCbCRを作成してくれなかったなどという事態も起こり得ますので、事前にコンサルにどう対応するかの確認をしていただければと思います。

※申告書の添付書類ですが、通常の申告書とは違うものを新たに作成(親会社からのヒアリング等あり)するために、業務として分けるコンサルが殆どです。

<CbCR対応のポイント>

①税務当局からフォームが公表されている※1

②グループ会社を納税地毎に分類し、定量的な情報(及び機能リスク)を記載する

③2018年からオンライン申告によって提出できる(と言われている)

④ハードコピーでの申告ももちろん可能

⑤保存義務でなく、提出義務のために確定申告書に添付して提出しなければならない

⑥2017年度に申告するCbCRの内容は2016年度の内容である

⑦ローカルファイルで行った機能分析と齟齬がないように記載する

※1公表されているフォームの一部を下記に差し込みますので、参考にしてください。

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 ※4枚綴りになっているCbCRの一枚目を添付

具体的な取り扱いはそこまで難しいものではありません。まずは、税務当局から公表されているフォームを手に入れて、内容を確認してみてください。その上で、担当するコンサルファームに作成予定を確認し、不備なく申告を行っていただければと思います※ただし、親会社とのコミュニケーションが必要になる項目:「他国の関係会社の情報」がありますので、情報のやり取りは日本語で行えるコンサルが良いです。

 不明点等があれば以下の連絡先までご連絡ください!
片瀬 陽平(yo-katase@futureworks-inc.jp)

インドネシアにおける在庫管理

2018 年 1 月 10 日
さて、今回のブログは「インドネシアにおける在庫管理」です。在庫管理のポイントの一つに「常に会計上の棚卸資産と紐づけて考えなければならない」というものがあります。当たり前と感じる方も多いかと思いますが、狭義の在庫管理には、「品番と実地数量」だけの管理も含まれます。インドネシアの在庫管理の現状をみていると、「狭義の在庫管理はできているが、必要な在庫管理はできていない」という印象を受けます。つまり、「品番と数量管理」はしているが、「会計データとの連動はめちゃくちゃ」というような。

それでも、実は会計上も数字を作るだけならばそんなに難しくありません。期末在庫評価(ストック評価)だけしっかりと行い差額は売上原価として計上(フロー計上)すれば良いだけです。

難しいのは実態等を把握するための「フローの金額的な評価」です。受注管理、購買管理、生産管理、出荷管理などを適正に行わなければ「フローの金額的な評価」はできません(在庫管理システムには、これらの管理システムをつなげるとERP化してしまうために、狭義の在庫管理を目的とし、あえて金額的な評価をしないものも存在します)。

本来はフローの横のつながり(上記の、受注管理、購買管理、生産管理、出荷管理)による積上げで会計上の棚卸資産の金額(帳簿棚卸高)が計上されるべきです。これがフローの金額的な評価であり、そしてこの「フロー評価による棚卸資産金額」と「ストック評価による棚卸資産金額」の差額が「在庫差異」となります。

最初に「品番と数量管理」はしているが、「会計データとの連動はめちゃくちゃ」と書きましたが「在庫差異」の原因を探るのは簡単です。段階を踏んで考えれば良いのです。

【在庫差異の原因~その①~】

期首:何個、いくら
入庫:何個、いくら
出庫:何個、いくら
期末:何個、いくら

インドネシアの日系企業で「品番と数量管理」ができているのであれば上記の「何個」は全て管理できているということであり、管理がめちゃくちゃになる原因は「いくら」であるかの把握ができていないためにあります。特に「出庫」時の「いくら」の評価ができていません。※本来であれば在庫の評価金額などは数字遊びなので、「品番と数量管理」さえできていれば、購入在庫金額(取得価額)の合計額を、出て行ったものと、期末在庫に“どう按分するか?”だけの話です。

インドネシアにおいて、在庫評価は「先入先出法」か「平均法」によるために、どちらかで評価しなければなりません。出ていく在庫も、期末在庫も、評価はいずれかによって行われます。ただし、これはあくまでも前提です。ERPを入れていれば簡単に達成できる前提です。もし、ERPを入れていてもこの部分で在庫差異が発生してしまっていたらそれはシステムの不備です(笑)。ただし、そんなことはあり得ないので、ERPを入れていても在庫差異が出てしまっている会社はシステムの不備とするのではなく、「在庫管理フロー」のイレギュラーを探さなければなりません。

【在庫差異の原因~その②~】

イ.所有権移転の有無
ロ.工程別管理
ハ.システム上のモラトリアム期間の存在 など

このあたりが応用的な在庫差異の原因です。しっかりと業務フロー(業務マニュアル)を作成しなければ容易に在庫差異が発生してしまいます。インドネシア人に任せていたら目も当てられない結果になります。彼らは、モノがなくなったら「出荷」ですから。

例えば、出荷エリアの製品の出荷処理がシステム上はされていないか、工場から出荷された製品(所有権は当社)の出荷処理がシステム上はされていないか、預け在庫(所有権は当社)の出荷処理がシステム上はされていないか、前工程の機械の中(工程の中途)にある仕掛部品について次工程への出荷処理がシステム上はされていないかなどがあります。
また、ハ.は少し難しいので厚く説明すると、、、棚卸システムのポスティング処理の特徴として一度数量を0にリセットするのですが、リセット後数量の確定までに日数を要する場合もあり、その間の棚卸のルールをしっかりと決めておかなければなりません。マイナス在庫処理ができなければ出荷処理を行うことができない等のシステム上の特徴もありますので注意です。

まとめると、在庫差異が出るときは、3段階で調査するようにしてください。

【在庫差異の発生階層】
①品番と数量管理
②金額管理
③イレギュラー管理
※不備があるときの改善のポイントとは業務を細分化していくことです。論理的に細分化していくことができれば改善は容易です。

インドネシアの多くの会社では、在庫差異が全て売上原価に流れています。このままでは税務調査で非常にヤバいです。 “みなし売上課税(VAT)”と“損金不算入(法人税)”などのリスクがあり、追加の税負担も高額になる傾向があります。また、粗利率も圧迫され、適正な経営判断ができません。

在庫は貴社ビジネスに直結するために影響が大きくなる項目ですので、金額的なリスクを考慮する上でも、適切な意思決定をするためにも、どのような仕組みづくりを行うかを慎重に検討していただければと思います。
不明点等があれば以下の連絡先までご連絡ください!
片瀬 陽平(yo-katase@futureworks-inc.jp)

2018年のインドネシアの祝日、有給一斉取得日の取り扱い

2018 年 1 月 10 日

皆様こんにちは。㈱フューチャーワークスの片瀬です。

<2018年のインドネシアの祝日>
10月3日、インドネシア政府は2018年の公休日及び有休一斉取得日を発表しました(下記図)。例年6月頃までには発表されていますが、今年は発表が遅くなったために来年の社内カレンダーの作成に困った会社も多いのではないでしょうか。

この政府発表のカレンダーによると、公休日は計16日で、日本(16日、2017年)と同数となっていますが、有給一斉取得日がある分、インドネシアは休みが多いと感じます。

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出典:NNA ASIA (10/04)
<有給一斉取得日の取り扱い>
有給一斉取得日はCuci Bersamaとも呼ばれ、毎年政府が公表し、その日に有給休暇の取得をすることが奨励されています。休みにした場合は実際に有給扱いにするのか、出勤させた場合は休日出勤扱いとして計算するのか、などの問題があります。

また、入社一年目の従業員など、有給休暇の与えられていない従業員についてはどのように処理するのか、という問題もあります(インドネシアでは勤続12か月以上の社員に対して少なくとも12日間以上の有給休暇を与えるものとするとされています)。一般的には、通常の休み扱いとして給与から控除したり、次年度に発生する有給休暇の前借扱いとしているケースが多いようですが、インドネシア人は有給だと思っていたために揉めることもあるようです。

有給休暇一斉取得日は祝日ではないため、これらの取り扱いについては企業の判断に委ねられています。労法上は、10名以上の従業員を雇用する場合に就業規則の作成・提出義務が定められていますが、無用な労働争議を避けるためにも上記の点について就業規則で明文化し、従業員へ周知することが肝要です。

就業規則を既にお持ちの企業も、問題がないか一度点検してみることをお勧めします。
不明点等があれば以下の連絡先までご連絡ください!
片瀬 陽平(yo-katase@futureworks-inc.jp)
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