DES(デット・エクイティ・スワップ)による再建

2018 年 1 月 10 日

皆様こんにちは。㈱フューチャーワークスの片瀬です。

インドネシア子会社の再建に関して、「債権放棄」を検討した後に、DES(デット・エクイティ・スワップ)を検討することになります。DESとは、言葉の通り、「負債と資本を交換する」ものです。子会社は借入金だから利息を支払わなければなりませんが、資本金に交換すると利息を支払う必要はありません。また、紐づきで再建計画を作ることが多く、かつ、自己資本比率が上がるので銀行等との交渉がかなりしやすくなります。

ちなみに親会社側の計上仕訳は次の通りです。

<計上仕訳(日本親会社)>
株式      5千万円 / 貸付金 1億 
債権譲渡損   5千万円 /
ここで「債権譲渡損」という損失項目が出てきました。これは、「債権の現物出資により取得した株式の取得価額:法規通2-3-14」を基に損金計上を検討していくことになります。
「債権の現物出資により取得した株式の取得価額:法規通2-3-14」
子会社等に対して債権を有する法人が、合理的な再建計画等の定めるところにより、当該債権を現物出資することにより株式を取得した場合には、その取得した株式の取得価額は「有価証券の取得価額」の規定に基づき、当該取得の時における給付をした当該債権の価額になることに留意する。
ポイントは、「合理的な再建計画」という文言ですが、ニュースレターでお送りした(下記に記載している)「貸倒損失や子会社支援損」よりは、損金計上の理論建てが容易かと思います(関連資料は多くなりますが)。
<合理的な再建計画とは>
合理的な再建計画とは、「債権放棄」に関連する各種通達(9-6-1、9-6-2、9-4-1)と同様に実態判断になり、具体的には「支援額の合理性」、「支援者による再建管理の有無及び有効性」、「支援者範囲の相当性及び支援割合の合理性」などにより総合的に判断することになります。なお、利害の対立する複数の支援者の合意によって策定された再建計画は、原則として合理的なものとして取り扱われます。
正直インドネシアにおけるDESは、各種手続はもちろんありますが、基本的には容易に行うことができます。ただし、(インドネシアで行うことよりも)日本側で損金に計上する方が、ハードルが高いためにインドネシアと日本の両面からしっかりと検討する必要があります。インドネシア側のDESの手続、日本側の合理的な再建計画の作成など、お困りのことがございましたら、お気軽にご連絡いただければと思います。
不明点等があれば以下の連絡先までご連絡ください!
片瀬 陽平(yo-katase@futureworks-inc.jp)

合弁解消の際の株式譲渡に係る課税関係 /棚卸取引における資金還流

2018 年 1 月 10 日

皆様こんにちは。㈱フューチャーワークスの片瀬です。

先日、弊社のお客様より下記の質問をいただきました。大変興味深い内容であったために、内容を少し変更し、皆様にシェアできればと思います。
【質問内容】
当社は、日本の協力会社のA社と共に、インドネシアに合弁会社B社(製造)を設立し、従前よりインドネシア国内でのビジネスを行っています。この度、当社とA社の協議の結果、合弁を解消することととなりました。合弁の解消にあたりA社が保有するB社株式(30%)を全てルピア建てで購入することとします。
Q1.B社株式の購入にあたる課税関係を教えてください。 

A1.日本や他の諸外国においては「時価純資産法」等の方法により株価算定を行い株価が値上がりしているのであれば、その値上がり益において課税がなされます。ただし、インドネシアにおいては諸外国の課税関係とは異なり、インドネシア独自の取扱い(「KMK 434/KMK.04/1999(財務大臣令)」)がなされています。

この財務大臣令により、非居住者がインドネシア居住者株式を売買した場合、「推定利益(the Estimated net income)」に対して、源泉税が20%課されます。そして、この推定利益は、当該大臣令において売買高(Gross transaction value)の25%とされています。つまり売買高×25%×20%=売買高×5% となります。

※留意すべき部分は、この売買高が「簿価」でも認められるのか?ということですが、基本的には「時価純資産法等」の客観的な価格をベースとした利益の推定と考えられます。

また、日イ租税条約上で、当該取引にかかる源泉税率は10%とされていますので、DGT-1フォームを税務署に提出をすれば、売買高×25%×10%=売買高×2.5%となります。

Q2.日イ租税条約上で、源泉税率10%を適用するためのDGT-1フォームとはどのようなものか教えてください。

A2.DGT-1とは、日本における「居住者証明書交付請求書」と同じものになります。インドネシア国税局がDGT-1という指定のフォーマットを(租税条約適用のための)居住者証明として使っているため、日本のフォーマットではなくDGT-1を使用することになります。

もう一点、過去のニュースレターに紐づいて、ご質問があったものを皆様にも共有できればと思います。

Q1.利益還流のニュースレターにおいて、棚卸取引による還流とありましたが、金額をどのように変更すれば良いかが分かりません。

A.棚卸取引による還流で留意しなければならないことは、内部コンパラ(自社において第三者との間で同様の棚卸取引を行っている場合には、当該金額が正常な取引価格であるとみなす)に留意する必要があり、インドネシアだけを特別扱いすることは難しい現状があります。そのために棚卸資産自体の金額を変えることが難しい場合には、三か国貿易の形態(例えば、物流はタイとインドネシアにおいて直接行うけれども、商流は日本親会社を介す形態)を取るなど、ただ単に棚卸資産自体の金額を変えるのではなく、取引スキームについて理由を付して変更することなども考えられます。

※途中から日本親会社を介すことになる場合には、もちろん相応の理由が必要となりますので、ご注意ください。
不明点等があれば以下の連絡先までご連絡ください!
片瀬 陽平(yo-katase@futureworks-inc.jp)

サービス料を個人に支払う場合のPPh特殊計算

2018 年 1 月 10 日
源泉税の申告漏れがよく発生するものの1つに、個人に支払うサービスに対する源泉税があります。このサービスには、プログラミング、設計、医者、公証人(Notaris)、鑑定士、会計士、税理士、アクチュアリ等の専門家個人に支払われる報酬が含まれます。このような、雇用契約のない個人に対して支払われる報酬は、PPh23(国内サービスに対する源泉税)の2%ではなく、PPh21のフォーマットにて申告することとされています。このPPh21は通常の計算とは異なる、特殊計算となりますので留意が必要です。

税務局長決定PER31/PJ/2009より、前述の支払いについては、「支払金額の50%×個人所得税率」にて源泉税を決定することとされています。この「個人所得税率」の部分については、厳密には累進課税率の限界税率(その個人に適用となる最高税率)が使用されますが、支払相手の限界税率を知ることは困難なため、一般的には便宜的に5%が使用されます。

また、当該個人が個人事業主登録をしていない場合(NPWPを持っていない場合)は、更に120%課税となります。

上記をまとめて、具体例で計算すると下記のような計算となります。

※Notaris個人への支払報酬合計1,200,000

◆個人がNPWPを持っている場合
1.200.000×50%×5% = 30.000 (源泉税pph21)
1,200,000‐30,000= 1,170,000 (支払い額)
◆NPWPを外注先が持っていない場合
1.200.000×50%×5%×120% = 36.000 (源泉税pph21)
1,200,000‐36,000 = 1,164,000 (支払い額)
本来であれば、このように計算して源泉税を算出しますが、個人は純額として受け取りたい金額(上記の例であれば、源泉税を控除した後の、実際の支払金額が1,200,000となるように計算する)を提示している可能性もありますので、事前の確認が必要になります。
不明点等があれば以下の連絡先までご連絡ください!
片瀬 陽平(yo-katase@futureworks-inc.jp)
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