【2021年度確定申告】

2022 年 2 月 23 日

【2021年度確定申告】

 

今年も確定申告の時期になりましたので、今回は個人確定申告についてみていきたいと思います。

課税期間は1月1日から12月31日までの暦年で計算します。翌年3月31日までが申告・納税期日です。申告する所得について、総支給額を使うか、社会保険料等を控除した手取り額を使うか、というご質問をよく頂きますが、社会保険料等は、本来は個人のベネフィットであり、代わりに会社が支払っているだけですので、社会保険料を控除する前の総支給額を使うこととなります。

 

<課税方式>

国際的な個人所得課税の方式は、A.国内源泉所得課税方式B.全世界所得課税法方式の2種類があります。

 

Aの方式では、国内に源泉のある所得のみが申告・課税対象となります。ここでいう「源泉」は、英語では「ソース」にあたり、その所得がどこの国に起因しているかが重要になってきます。例えば給与の実際の支払い場所がインドネシアであっても、専ら日本にある法人のために働いて得た所得は、日本国内源泉所得、ということになります。A.の方式はシンガポールなどで採用されています。

Bの方式では、国内源泉所得のみならず、国外源泉所得も含めて申告・課税を行う制度です。こちらのほうがメジャーで、インドネシアでも全世界所得課税方式を取っていますので、日本側で支給された給与も合算して申告をすることになります。

Bの全世界所得課税方式では、場合によっては2重課税が発生することがあります。たとえば、日本の法人の役員報酬は、仮に日本の非居住者で、インドネシアに居住を置いている場合にも、日本で課税されます。これは、役員という地位の特殊性を考えたルールで、役員は全世界どこにいても、意思決定・業務執行が可能であると考えられるからです。この場合、インドネシアでも全世界所得課税がされるため、日本とインドネシアで2重で課税されてしまうことになります。

そこで、国家間で締結される租税条約において、こうした2重課税は排除されることになりますが、2重課税の排除の方法も大まかに分けて2つあり、①免税制度と②外国税額控除制度があります。①免税制度は、そもそも課税されない所得を定めておく制度であり、上記の例でいえば、日本で課税済みの役員報酬は申告しなくてよい、と定めている国などが該当します。一方で②外国税額控除制度は、いったん全世界所得を合算申告して計算しますが、外国で納税済みの額を、控除できる制度です。インドネシアでは外国税額控除制度を採用しているため、前述の例の場合、役員報酬であってもいったん合算申告したうえで、日本で納税済みの所得税を控除する計算をすることになります。

 

<インドネシアでの確定申告対象者>

 インドネシアでは、居住者全員が確定申告対象者になります。仮に外国で受け取っている給与がなく、0申告となる予定でも申告自体は済ませておく必要があります。なお、オムニバス法細則において、6カ月以上のITAS(就労ビザ)の保持によって居住性が判断されることが明記されましたので、1年のITASを保持しているにも関わらず、NPWP(納税者番号)を取得していないような場合は、速やかに取得・納税するのが安全です。

 

<赴任初年度の処理>

厳密にはITASを取得した日から居住者になりますが、 ITASを取得してからNPWP取得まで手続きに時間を要す場合があります。

全世界所得を計算する際に、どちらの国でも課税されないような空白期間が出ることは非常に問題です。日本側の人事部に、いつの分の給与から所得税が非課税になったのかをしっかり確認しておくことが肝要です。

また、赴任初年度は、確定申告をオンラインでするためのID・パスワードを、税務署から取得しておく必要があります。手続き自体は通常即日で終わりますが、3月末に近くなると税務署が忙しくなって対応が遅くなることもありますので、遅くとも2月には取得しておくことが望ましいです。

 

<デビットノートでの給与の立替精算について>

日本側でも給与を受け取っている場合、日本分は本社が一旦給与を立替えて、後にインドネシア法人に立替請求をしてもらっている方もいらっしゃるのではないかと思います。こういったケースの場合、この立替分は最終的に全額インドネシア法人が負担することになりますので、本来は確定申告の際に初めて申告するのではなく、毎月のPPh21の計算に含めて納税するが正しいです。PPh21の納税は、翌月10日ですので、タイムリーにデビットノートを請求してもらい、認識しておくことが必要となります。

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