年次財務報告書LKTPの提出義務

2021 年 5 月 17 日

商業省(Ministry of Commerce)が、20年3月19日に年次財務報告書(LKTP)の提出義務に関する大臣令を施行しています。これは、もともと1998年からあった法律で、歴史は古いのですが、提出方法が定まっておらず、長らく有名無実化していました。今回の大臣令の施行とともに、提出用のシステムが出来ています。いままで年次財務諸表は税務署にのみ提出をしていたかと思いますが、今後は商務省にも別途提出が必要となります。
20年はシステムが安定せず、やむを得ず提出できなかった企業も多いと思いますが、システムが安定した今年からは、より厳しく運用される可能性がありますので、留意が必要です。

【提出義務対象者】
LKTPの提出義務者は以下の通りです。
1. 以下のいずれかの要件を満たす企業
a. 公開会社
b. 公的資金配分に関連する企業(金融機関、保険会社等)
c. 証券会社
d. IDR 250億以上の資産を所有する企業
e. 銀行により年次財務報告書の監査を義務付けられている債務者

2. インドネシア国内に所在し事業を営む外国企業(支店、子会社、代理店及び契約の当事者となることができる代表事務所を含む)

3.国有株式会社、公社 及び地域会社

このうち、2.の外国企業に、外資企業は含まれていますので、外資企業はすべて提出義務があることになります。

【免除規定】
以下の当局に財務諸表を提出済みの企業は、商務省への提出を免除されます。
1. その他の規制当局
2. 金融庁など
3. 国営企業大
4. 財務大臣

公認会計士の規制当局である財務省が出している別の法令によって、財務省が各公認会計士に対し、クライアントの監査済み財務諸表の提出を求めているようです。監査を担当した公認会計士を通じて財務省に財務諸表を提出した場合、この免除規定によって、商務省への提出は免除されると考えられます。
会計監査が終わった後、監査人から財務省に財務諸表を提出していいか聞かれた企業があると思いますが、こうした事情によります。
ただし、財務省令の方は、外資企業のすべてが提出対象になっているわけではありませんので、財務省に提出していない場合は、別途商務省に提出する必要はあります。

【提出資料】
以下の公認会計士による監査済みの財務諸表をオンライン(PDF)で提出します。
a. 貸借対照表
b. 損益計算書
c. 株主資本等変動計算書
d. キャッシュ・フロー計算書
e. 借入・貸付に関する概要を示す財務諸表に関連する注記

【提出期限】
会計年度の終了から、6カ月以内に提出しなければなりません。

【行政制裁】
今回の改正で、未提出もしくは内容の不備に関する以下の制裁が定められていますので、留意が必要です。
・書面による警告
・商務省管轄の事業許可の取消

なお、提出した企業の財務情報は公開文書としてみなされ、書面による要請により公開される場合がある、とされています。
改正前の商務省令でも、外資企業は公認会計士の会計監査を受ける必要がありました。そのため、商務省に提出することはなかったものの、ほとんどの外資企業は毎年監査を受けていると思います。その監査済みの財務諸表を、年次法人税申告書に添付して、税務署に申告するのがいままでの流れでした。今後は税務署に提出の後に、商務省にも提出が必要になります。法人税申告書の期日は決算から4カ月以内、商務省へは決算から6カ月以内となりますので、スケジュールには十分ご留意ください。

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