親子間のコミッション取引は損をしている!?

2019 年 6 月 20 日

親子間のコミッション取引は損をしている!?

商社などで、親子間でコミッション取引をしているケースなどがあるかと思います。

この場合、グループ全体として考えると、実はVAT分を損していることになります。

 

下記のケースを考えてみます。

日本本社Aがインドネシア顧客Cに製品を直接販売するにあたり、子会社Bが販売活動をサポートした対価として、BからAへコミッションフィーを請求する。

 

まずこの場合の税務ですが、VATは物品やサービスを消費した場所で課税(消費地課税主義)されます。“販売活動“というサービスの消費は、インドネシア国でされたと考えられますので、VAT課税対象となります。

源泉税に関しては、ざっくり分類すると「使用料」か「事業所得」かが重要になってきます。「使用料」に該当する場合は、源泉税がかかり、「事業所得」の場合はかかりません。

ここでの「使用料」とは、租税条約上の定義としては、

「文学上、美術上若しくは学術上の著作物・(映画フィルム及びラジオ放送用又はテレビジョン放送用のフィルム又はテープを含む。) の著作権、特許権、商標権、意匠、模型、図面、秘密方式若しくは秘密工程の使用若しくは使用の権利の対価」です。

一言でいうと、「ノウハウ」や「ロイヤルティー」の類となります。一般にコミッションはこの「使用料」には該当せず、「事業所得」になります。そのため、源泉税については、かかりません。

 

上記を踏まえてこの取引を考えると、仕訳は下記のようなものになります。

(コミッション100にVAT10を載せて110を本社Aに請求する。)

〇インドネシア側

未収入金110 / 売上100 , 仮受付加価値税10

 

〇日本側

支払手数料など 100, 租税公課 10 / 未払金 100

 

ここで注目したいのは、日本側で発生している「租税公課」です。このVATは日本側では仕入税額控除に使用できないため、単純にコストになります。

そうすると、日本が支払ったVAT分は、インドネシア側子会社を経てそのままインドネシア側の税務署に納税する流れとなるのです。

以上より、グループ全体として考えると、この親子間のコミッション取引をすることで10だけ損していることになるのです。

もちろん、子会社とはいえど独立した法人ですので、提供した役務に対してきちんと親会社に請求することは望ましいです。しかし、他の取引に含めることで調整できないかなど、移転価格全体を考慮した設定が重要になります。

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