損をしない法人税適用税率の選択

2019 年 8 月 9 日

設立初年度の会社や、売上が4.8M以下の適用法人税率はおおまかに分けて2種類あり、標準税率(CIT)と外形標準課税(PP23)がございます。PP23を選択している会社のうち、実は損をしているケースがございます。

 

標準税率の場合、「税引前当期純利益x12.5%」を法人税申告時(決算から4か月以内)に納税することになり、外形標準課税の場合は、「月次の売上高×0.5%」を毎月納税することになります。

 

このPP23というのは、2018年度にPP46(月次の売上高×1.0%)から改正になったのですが、そのほかに変更になった点としては、標準税率の任意選択が可能になったということです。前のPP46では、前年の売上高が4.8M以下であった場合は、PP46が自動適用だったのですが、PP23では、事前に税務署に申請しておくことで、標準税率への切り替えが可能です。

 

以下3ケースで比較してみます。

 

 

※発生する費用(売上原価、販管費、営業外費用等)は全て「総費用」として表示している

※売上高は全て課税所得とし、総費用は全て損金算入できるものと仮定する。

 

 

ケース1は、売上が4.8Mで、利益が192Juta出たケース(売上高当期純利益率4.0%)です。このケースでは、PP23と標準税率を適用した場合の税額はイコールになります。ただし、PP23の方が実務上簡易的に処理できるので、この場合はPP23を選択した方がいいと思われます。

 

ケース2は、売上が4.8Mで、利益が0のケースです。PP23は売上の0.5%ですので、納税が24Juta発生する一方、標準税率では利益の12.5%ですので、納税が発生しないことになります。この場合、当然標準税率を選択した方がお得です。

 

ケース3は、売上が4.8Mで、200Jutaの赤字のケースです。ケース2と同じく、PP23だと24Jutaの納税が発生し、標準税率では納税が発生しないので、PP23の方が得なのですが、ここで注目したいのは、200Jutaの赤字分です。この赤字(繰越欠損)は、翌期以降に利益が出た場合に、5年間まで相殺できます。例えば、翌期に200Jutaの黒字が出たとしても、相殺できるので、翌期の納税は0となります。この翌期以降に税額を減らす効果のある繰越欠損を、「税効果」を持つ、と言いますが、この場合の税効果は、「200Juta×12.5%=25Juta」と計算されます。以上より、PP23を選択した場合は、24+25Juta=49Juta分損をしていることになります。

 

 

PP23は主に売上4.8M小規模事業者が対象ですが、その他の会社でも適切なタックスプランニングを組むことが肝要です。合法的な節税はとても大切ですので、タックスプランニングに関してぜひご相談ください。

 

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