小規模事業者用の外形標準課税率の変更

2018 年 8 月 6 日

売上48億ルピアまでの納税者に対する法人税制度が、2018年7月1日より改訂になりました。売上48億ルピアまでの納税者に対する法人税率は、以前は売上に対して見做しで1%でしたが(外形標準課税)、これが、0.5%に引き下げられました。

 

標準税率は25%になりますが、納税者の売上規模によって、下記の通りの税率に区分されています。

 

1.年間売上が500億ルピア以上の企業

⇒標準税率25%

 

2.年間売上が48億ルピア以上、500億ルピア以下の企業

⇒48億ルピアまでの総売上に対する課税所得については、12.5%

 

3.年間売上が48億ルピア以下の企業

⇒売上に対してみなし課税率0.5%(pp46、ファイナルタックス)

 

3.の税率が適用された場合、ファイナルタックスですので、既に源泉されている法人税(pph22, pph23)についての還付を受けることはできません。この税率が適用となった年の繰越欠損金は翌年度に繰り越すことができないので留意が必要です。また、この税率は3年間まで適用可能で、4年目以降は上記の1もしくは2の区分の税率が適用されます。

 

今回は0.5%に減税となりましたが、0.25%まで引き下げる、などの案が議論されているようですので、引き続き注視していく必要があります。

インドネシアで実際に起こった不正事例

2018 年 7 月 5 日

今回のテーマは「インドネシアで実際に起こった不正事例」です。皆様は「不正」と聞いた時にどのようなことを思い出すでしょうか。日本でニュースになる不正はそのほとんどが「財務諸表不正」です。不正会計・脱税など財務諸表や申告書を起因とした不正がドラスティックに報道されるために不正というと、この「財務諸表不正」を思い出す方も多いのではないかと思います。

 

一方、海外では?

 

実は海外の子会社で起こっている不正の内、財務諸表不正は企業全体の8%程度という試算があります(日本公認不正検査士協会資料より)。海外では財務諸表不正よりも注意しなければならない不正があるのです。

 

それは「資産不正(横領)」です。

 

下記の図表からも分かるとおり「資産不正(横領)」にあっては小さいものまで含めると企業全体の85%程度にも上ります。今日は実際にあった「資産不正(横領)」の実際の手口を皆様にお伝えできればと思います。

 

 

【購買担当者へのキックバックにかかる事例】

まずは次の図をご覧ください。

 

 

この「購買担当者へのキックバックにかかる不正」の問題点は、「財務諸表には現れない」というところにあります。日本で度々行われている「財務諸表不正」は、一般的に財務諸表に現れるために監査をしっかりしていれば排除できますが、この「キックバックにかかる不正」は財務諸表を見るだけでは排除することができません。

 

なぜか?これについては仕訳を見ると一目瞭然です。

 

【キックバックにかかる不正の仕訳例】

仕入    20,000/ 買掛金    20,000

 

仕訳はこれだけです。皆様もよくみる仕訳例だと思います。この仕入の20,000が通常価格よりはるかに高いことが問題ですが、仕訳自体に何ら変な個所はありません(証憑類も適正)。

 

親会社に毎月監査済みの決算書を送ってチェックをしているかと思いますが、それでも不正が排除できないのは決算書からでは不正が読み解けないという問題点を抱えているためです。監査によって確認できる不正はそのほとんどが「財務諸表不正」であることを認識しなければなりません。

 

そのために監査法人は監査手続以外に、「内部統制」という手続を踏むのです。この内部統制手続で作成する資料の1つである「業務フロー」を確認してみることにします(購買業務フローの一部分を抜き出して記載します)。

 

【POINT1について】

業務担当者(Person In Charge)と購買担当者(Purchasing)が分かれていることが大きなポイントとなります。

大企業では当たり前に分かれているものであっても中小企業においては、業務担当者が購買についても行っていることがありますので、その際は次のPOINT2において、不正が起きていないかをしっかりと確認をする必要があります。

 

【POINT2について】

マネージャーとダイレクターがそれぞれ承認しサインをします。しっかりとした承認ポイントを置くことが不正を防止する大きなポイントになります。

 

しかし、インドネシアで実際に起こったものはこれらのPOINTについても、しっかりとケアされていました。それでも不正が防げない。それは何故でしょうか。

 

【承認及び業務分掌をしていても不正が防げない理由】

この「購買担当者へのキックバックにかかる事例」において、キーポイントとなる部分は「承認」でも「業務分掌」でもありません。キーポイントは「価格の適正性」です。上記の業務フローでも購買部(Purchasing)とマネージャーとダイレクターの3人を経由して(価格のチェックをして)購入しているにも関わらず、インドネシアにおけるその「モノ」の適正価格を誰も把握していませんでした。

それだけではありません。マネージャーは不正を防止するために(適正価格を把握するために)PIC(担当者)に相見積もりも取らせていました。3社の中で一番安い金額を選んだはずなのに不正が起こってしまっています。

 

キーポイントさえ押さえておけば、相見積もりを取るのはPIC(担当者)ではなく、購買部に取らせるような業務フローを作っていたはずです(これが実体にあった業務分掌)。ただ、上記の業務フローを一見して「ここにリスクがある!」と指摘できる人はほとんどいません。

 

業務フローの作成は自社で行うことも可能ですが、問題点に気が付かない場合もあるので、必ず担当するコンサルのチェックを入れる必要があります。正直、海外の人材の方が(相対的に)このような小金稼ぎの不正テクニックを持っていますので、業務フローを作成する際には細かな部分のケアまでしっかりと行ってもらえればと思います。

過少資本税制の細則について

2018 年 6 月 8 日

知られている通りインドネシアでは、2015年の財務大臣規則(169/3/PKM.010/2015)により負債資本比率を4:1以内とすることが規定されています。2016年会計年度から適用となった一方で、実施細則については別途、国税総局規則で規定されるとされていました。

改めて2017年11月28日に公布された国税総局長官規則(No.PER25/PJ/2017)により、所得税計算に関する実施細則が定められています(2017年会計年度から適用)。

 

そもそもこの負債資本比率規制は、一般的には過少資本税制と呼ばれるもので、資金調達の多くを資本金ではなく借入金から行うことにより、過大な資金調達コストを損金に算入することを防ぐための規制です。4:1の比率を超える借入金に対する利息等(資金調達コスト)は、損金として認められません。

 

(負債の定義は、「国内外の借入金、利払い義務のある債務」であり、利息等は、「借入利子、借入割引額、保証料」を含みます)

 

今回、細則として定められた点は下記の通りです。

 

1.損金不算入となる利息等について

・負債資本比率4:1を超える借入金に対する利息等

・独立企業間取引の原則を満たさない場合の利息等

・非課税所得もしくはファイナルタックスの対象となる所得を獲得するために用いられた借入金に掛かる利息等

 

2.負債資本比率の計算の報告について

借入金を有している法人について、利息等を損金に算入する場合は、法人税確定申告提出時に「負債資本比率の計算」を添付する。添付しなかった場合は、確定申告自体が不備と見做される。

 

3.海外からの借入金の報告について

海外からの借入金を有している法人については、法人税確定申告提出時に「海外からの借入金報告書」を添付する。添付しなかった場合は、確定申告自体が不備と見做される。

 

 

前述の通り、利息等の定義は、「借入利子、借入割引額、保証料など」とされていますが、税務署担当官の解釈で外貨建借入金にかかる為替差損なども含めて指摘されるケースも発生しているので留意が必要です。

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